飛び石ジャンプ

辛い日々も飛び石のひとつ。よく遊び、考え、暮らしを愛でる日々のブログです。

DINKsだとキャリア戦略の立て方は変わるのか

 以前こちらの記事を書いたのだが、実のところ、産休・育休を取ることを現実的に考えていない。sena210.hatenablog.com

 数ヵ月前、「仲良くしていたらいつかは自然に」とはいかないことがわかった。
本当は夫と二人で相談をするはずだったのだが、コロナの影響で診察室に一人しか入れなくなったため、一人で医師の説明を聞いた。

子どもを持つことに対して臆病ではありつつ、「子どもを持たない」と気持ちを振り切ることができなかった。
「社会的な責任から逃れようとしているのか」という誰かの声が聞こえる気がして。
でも、コウノトリの到来を待つ人が集まる待合室を見渡しながら、「私はここにはいられないな」とはっきりと思った。

数年したら、「今からでも不妊治療をしたい」と強く思うこともあるのかもしれないが、現時点では、妊娠へ向けてお金や時間を投入(いくらかかるかわからない)するよりも、今ここに存在する自分や周囲へリソースを割きたい。
子どもを持ちたいと切に願いながら、なかなか実現できない方へのサポートがより手厚くなってほしいと思う。
子の有無に関係なく、性差や年齢差を超えてすべての人が自己実現を目指せるように、自分という資源を使いたい。
少なくとも、自分よりも下の世代の女性が「女じゃなかったら」と悔しい思いをする機会を減らす手伝いをしたいと思う。

 

自分にとっては、「いったん家族に集中する時期を持つ」ということは、「パートナーが働けなくなる」「親が要介護になる」「被災して家がなくなる」「明日病気になって働けなくなる」というような、「起こるかもしれないが、起こると決まっているわけではないこと」の中の一つに過ぎない。であれば、産休・育休をマストにしたキャリア戦略を立てることはアンバランスなのではないかと思うようになった。

そこで、再度現時点での考えを整理してみる。

 

 

誰でもキャリアを断絶する可能性がある

しかしここで忘れたくないのが、「子どもがいない=キャリアが一本道」では決してない、ということである。価値観の変化や自分・家族の健康上の理由など、様々な理由で「仕事以外の何か別の要因にフォーカスしたい/せざるを得ない時期」がやってくる可能性がある。これは何も30歳前後の女性に限ったことではなく、老若男女問わず誰にでも言えることだ。もちろん子どもがいるかいないかにも関係がない。

このことは、自分自身がどう備えていくか(金銭的な対策を取る、健康的な生活をする、等)も重要だが、所属している場所が全ての人にとって働きやすい環境であるかどうかがより重要になる。社員が若くて健康だ、ということに依存している仕事の仕方では、個々の事情に対応しきれないだろう。VUCA化した社会の中では個別の事情も千差万別である。その視点が欠けると、自分の事は棚に上げて「妊婦さま」「子持ちはいいよね」という反感が生まれてしまうだろうし、「仕事に穴をあける人(理由はどうあれ)」に対する差別的な態度もなくならないだろうと思う。

 

仕事の仕方が属人化しすぎているのであれば、可能な範囲からでも業務の改善を行う必要があると思う。

 

仕事だけの淡々とした生活にならないようにしよう

以前は、「仕事の武器を一つこれと決めるために、早いうちに色々試して武器を決める」と書いたが、少々考えが変わってきた。

武器を決めたら一生それで戦い抜ける、なんてことがあるはずはないのだ。こちらの記事に関しては、マネージャーポジションへの理解が浅すぎると言わざるを得ない。

現時点では、20代前半と中間管理職・子育て世代のギャップを埋めながらチームビルディングに貢献して、ナレッジを積み上げる方法を模索したい。


子育て世代の先輩方は、仕事と子育て…と重要事項を何重にも抱えながら、それぞれをハンドリングする中で、知識や経験の「幅」を活かして、自身を変容させているのだ。
仕事に集中できることが、仕事で優位性があることには決してならない。
ともすれば画一的な時期になりかねないので、より意識的に「知識の幅」「経験の幅」を得るようにしていかないと、早い段階で「仕事人」としての限界にあたってしまいそうだ。

 

▼参考資料

 子ありも子なしもそう変わらないのでは?

周囲の人と一緒に働きやすさを向上させながら、職場でポジションを築くことを考えると、実際のところ子どもの有無は重要な問題ではないように思う。

「割を食うのは嫌だ」とワーママを憎むのではなく、割をちょっとずつ齧り合う関係として職場を構築できるようにしたい。突然の産休報告に対してでも心から「おめでとう」と言える自分でいたい。

30代、40代になるとまた違う考え方も出てくると思うが、現時点での年齢でできそうなことを考えてみた。

 

▼読んでよかった。仕事を常に傍らに置いておくという考え方。

「産む」と「働く」の教科書

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